【事例：ビジネスアーキテクト育成研修】強力なプロジェクト推進力がDXを動かす！静岡ガスのDX推進人材育成戦略

静岡ガス株式会社（以下、静岡ガス）は、デジタルを活用した業務改革を推進できるビジネスアーキテクトの育成を目指し、キカガクの研修を導入しました。プロジェクトマネジメントや要求定義のスキルを習得することで、DX推進の中核となる人材の育成を実現。各部署でDXを推進する動きが生まれつつあります。本研修について、経営戦略本部デジタルイノベーション部の中村様、櫻井様にお話を伺いました。

なお、静岡ガスでは、本記事でご紹介する研修を社内の共通言語化していくために、管理職向けのDX研修にもキカガクとともに取り組まれています。当該研修の事例は以下の記事でご紹介しています。

【事例：マネジメント層向けDX研修】DX推進人材との「共通言語化」で、変革が進む組織へ。静岡ガスが挑む管理職向け教育

目指す育成ゴールと課題

DX推進の要、プロジェクト推進力の高いビジネスアーキテクトを育成

どのような人材を育成したいと考えていましたか？

中村様：デジタルを活用した業務改革の推進を、中心となって実行できる人材を育成したいと考えていました。具体的には、業務改革における現状課題の整理、解決策・ゴールの設定、実施する項目の洗い出し・優先順位付けなどができる人材です。

なぜそのような人材が必要だと感じたのでしょうか？

中村様：2023年はデータサイエンティストの育成に取り組み、一定以上のスキルを持つ人材を育成できました。しかしながら、業務改革や新規ビジネスの創出に向けて実際に動き出すには、やはりビジネスの現場とテクノロジー人材の橋渡しができる人材が必要です。

DX推進は基本的にプロジェクトとして進めていくものだと考えています。そのため、ビジネスとテクノロジーの両方を理解してプロジェクト推進ができる人材を育てる必要がありました。

そこで2024年度は、経済産業省とIPAが定めているDX人材類型で言うところのビジネスアーキテクト育成に取り組むことにしました。

キカガクを選んだ理由

狙い通りの研修内容があり、ライブオンで実施可能。ニーズに寄り添う提案を評価

なぜキカガクの研修を選択したのでしょうか？

中村様：主に3つの理由があります。

まず、前年からDX人材育成に一緒に取り組んできた中で、今年の研修として提案いただいた内容が、私たちの想定に非常に近かったことです。要求定義やプロジェクトマネジメントはこれまで社内で取り組んでこなかった分野でしたが、カバーすべきではないかと議論していたところでした。複数の企業から提案を受けましたが、キカガクの提案が最もイメージに近かったのです。

2つ目は、講義形式です。学習内容の定着の観点から、eラーニングよりも集合型のライブオン研修を重視していました。他社の提案にはeラーニングのカリキュラムも多く、私たちのニーズに合わない部分がありました。

3つ目は、私たちの意図を汲んだ提案をしていただいたことです。講義形式や内容について、私たちの意図を理解して提案してくれる印象を受けました。また、カスタマイズなどの柔軟性も高く、要望を伝えれば迅速に対応してくれる安心感がありました。

実施した研修について

要求定義とプロジェクトマネジメント、DX推進の必須スキルを両輪で学ぶ

具体的にどのような研修を実施したのでしょうか？

櫻井様：キカガクの「DXプロジェクトマネジメント実践コース」と「要求定義実践コース」を実施しました。

DXプロジェクトマネジメント実践コースは、DXの特徴を理解した上で、事例を交えながらDXプロジェクトの計画策定から実行管理までを学ぶ内容です。

プロジェクトマネジメントは、DX推進はもちろんですが基礎スキルとして持っていると多くの場面で役立ちます。トップコア人材にとっては特に必須スキルですので、研修プログラムとして取り入れました。

要求定義実践コースは、ビジネス人材がシステム構築に必要な知識をつけ、ベンダーやテクノロジー人材と円滑にコミュニケーションが取れるスキルを身につける研修と位置づけています。

デジタル活用による業務効率化を実現するにあたって、新たなシステムを導入する場面は多いかと思いますが、その際に適切な要件を弊社のシステム系グループ会社に伝えたり、ビジネス側の要求を適切にシステムに反映するために必要な内容です。

キカガクさんの基本カリキュラムをベースに、より当社のメンバーに合わせた内容になるよう打ち合わせを重ね、アレンジしていただきました。

研修の効果と今後の展望

ワークを通して「知識」を「実践可能なスキル」へ。体系的理解がもたらす変化

研修の効果はどのようなものがありましたか？

櫻井様：ゴールとして設定していた人材像を備えたメンバーが各部署に誕生したと考えています。これらのメンバーが、各部署での話し合いやプロジェクト管理の中で、学んだことを周りに伝播していくことを期待しています。

実際、座学だけでなくワークを交えて研修を進めたことで、単に学んで終わりではなく、実際にスキルが身についていると感じています。

具体的な効果としては、プロジェクトマネジメントにおいて、参加者からは「体系的に学ぶことで、自分が今までやってきたことの意味づけができた」という声を聞いています。例えば、いわゆる「根回し」と呼ばれる部分を「ステークホルダー分析とアクションの起こし方」として体系的に理解し、日常業務に活かせるようになったことが挙げられます。

中村様：実践で使えるフレームワークを講座の中で多く紹介していただき、演習を通してそれらを使ったアウトプットまで体験できた点への評価も多く聞かれました。これらのフレームワークを実際のプロジェクトで活用している参加者も出てきています。

また、ライブオン形式で実施したことで、講師の方が参加者の状況を見ながら詳細に説明するところと簡単に済ませるところを判断しながら進めていただき、より参加者の理解が深まったと感じています。

今後の展望についてお聞かせください。

中村様：今回のトップコア人材研修の内容をアレンジして、マネジメント層向けにも実施しています。これにより、業務改革に関する社内の共通認識が図られやすくなり、組織のあらゆる階層でDX、つまり業務効率化やビジネスモデルの変革が起きていったらと思います。

櫻井様：事務局側の視点での最大の課題は、研修で得た知識を実践につなげることです。知識として持っているだけでは意味は薄く、実際の業務効率化や改革、さらには新しいビジネスアイデアの創出につながって初めて、本当の意味での人材育成ができたと言えるでしょう。

そこで来年度は「実践編」のような形で、過去の受講者を集めて実際のプロジェクトに取り組む機会を設けることを検討しています。一つの成功体験が生まれれば、それが次の取り組みにつながる流れができるのではないかと期待しています。

中村様：また、デジタルイノベーション部として、社内に「おせっかい」をかけに行くような取り組みも必要だと考えています。各部署で眠っている改善のアイデアを掘り起こし、実際のプロジェクトとして立ち上げていく。そうした仕掛けづくりも我々の役割だと認識しています。

最後に

最後までお読みいただきありがとうございました。

キカガクでは業界業種問わず 1000 社以上の企業に導入いただき、DX 人材育成における様々な課題解決をご支援しております。

業界業種多種多様な業界 20 社以上の育成事例もご紹介しておりますので、ご興味のある方はぜひご参考ください。

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