DX Blog
E資格のシラバス改訂を解説!〜2022#2 より追加される内容もご紹介〜
E資格とは
E資格とは?
E資格とは、日本ディープラーニング協会(以下、JDLA)が主催する「ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力や知識を有しているか」どうかを認定する資格試験です。
試験の中では、機械学習や深層学習(ディープラーニング)の知識を始め、開発環境や応用数学の理解まで幅広く問われるような試験となっています。
JDLA は E資格と G検定の 2 つの資格を展開しており、JDLA が認定するもう一つの資格、G検定の次のステップとも位置付けられるエンジニア向けの資格試験となってなります。
E資格の問題形式は?
E資格の試験時間 120 分、問題数は 100 問で全問多岐選択形式となっています。
試験時間 120 分で 100 問なので 1 問あたりにかけられる時間は 1 分程度と、時間制限が厳しいのも一つの特徴と言えます。
また、選択式の問題とはいえ、実装のコードを問われる問題や計算問題なども出題されるため、しっかり内容を理解していないと正答できません。
G検定との違いは?
JDLA が実施している資格試験には E資格以外に G検定があります。
E資格はディープラーニングを実装する人材(エンジニア)向けの資格となっており、機械学習やディープラーニングのモデルの実装をする知識や、内部で行われる数学的な計算の理解を問うものになっています。
それに対して、G検定はディープラーニングを活用する人材(ジェネラリスト)向けとなっており、AI の歴史や基礎の部分、契約や論理にまつわる内容など、広い範囲のビジネス活用の知識を問うものになっています。
E資格の受験には、「過去 2 年以内に JDLA 認定プログラムを修了している」必要がありますが、G検定には受験制限がないという違いがあります。
また、受験会場もE資格は「指定の受験会場での受験」なのに対し、G検定は、「自宅受験が可能」という形になっており、受験できる環境も異なります。
下図:E資格と G検定の違いまとめ
E資格 | G検定 | |
---|---|---|
対象 | ディープラーニングを実装する人材(エンジニア)向け | ディープラーニングを活用する人材(ジェネラリスト)向け |
内容 | 機械学習やディープラーニングのモデルの実装をする知識や、 | AI の歴史や基礎の部分、契約や論理にまつわる内容など、 |
受験要件 | 過去 2 年以内に JDLA 認定プログラムを | 受験制限なし |
受験形式 | 指定の受験会場での受験 | 自宅受験が可能 |
E資格の受験方法は?
E資格を受験するには受験資格が必要となります。
JDLA が認定したプログラムを修了する必要があります。E資格試験を受けるための最初のステップとして必要なのがJDLA認定プログラムに参加することになります。
JDLA認定プログラムは複数存在し、費用やサポートなどをはじめプログラムごとにそれぞれ特色がありますので、受験を考えられている方は、下記リンクよりご自分に合ったプログラムを選択するようにしましょう。
E資格受験のメリット
ディープラーニングを実装レベルまで学ぶことが出来る
E資格取得を目指す一番のメリットはディープラーニングや機械学習の知識を実装レベルまで学ぶことが出来るという点です。
E資格の受験資格を得るためには、JDLA 認定プログラムの受講が必須条件となっています。
認定プログラムの受講を通じて、単に知識だけでなく、AI やディープラーニングに関する実践的なプログラミングスキルを習得することができます。
AI や機械学習、ディープラーニングなどについて独学で学んでいる方も、領域があまりに広いため、どの単元をどの深さまで学べば良いのか迷ってしまうこともあるでしょう。
E資格という一つの代表的な AI の資格取得を目指して勉強することで、幅広くバランスの取れた知識を習得することができます。
E資格のシラバスの改定
2021 年 9 月にE資格のシラバスが大幅に改定となり、2022 年 8 月開催のE資格試験から試験範囲が変更となります。具体的にどのような内容が追加や削除されたのかについて改定内容を見ていきましょう。
なお、本改定に伴うシラバスは E2024#1 までの適用となります。
E2024#2 からはこちら(新シラバス)が適用となります。
シラバス改定の背景
今回のシラバス改訂の背景について、JDLA のホームページの内容をもとに要約してお伝えいたします。
E資格はディープラーニングの実装について問う試験です。
E資格のシラバスの改訂は過去にも行われており、大体 1~2 年毎に改定される形となっています。
今回のシラバス改定の背景としては、日進月歩するディープラーニングの技術に対応するために知っておくべき新たな内容を E資格の試験内容に組み込む必要があったからです。
JDLA はE資格を通してディープラーニングを実装するエンジニア人材を育成し、日本の産業競争力向上に寄与することを目標としています。
今回のシラバス改訂では実務や様々な研究のベンチマークとなる手法が追加されています。
このように、ディープラーニングの技術が日々進歩をし続けている以上、ディープラーニングの実装力を問うE資格も内容も都度変更させる必要があるといったところがシラバスの改訂が頻度高くおこなわれる理由です。
試験範囲から削除される項目
下図は2022 年 8 月開催の E資格試験より試験範囲から削除される項目についてシラバス 2022 より引用しています。
◆:中項目 ◇:小項目
大項目 | 内容 |
---|---|
応用数学 | ◆線形代数 |
機械学習 | ◆機械学習の基礎 |
深層学習 | ◇アーキテクチャの設計 |
試験範囲に追加される項目
下図は2022 年 8 月開催の E資格試験より試験範囲から削除される項目についてシラバス 2022 より引用しています。
大項目 | 内容 |
---|---|
深層学習 | (6)生成モデル |
開発・運用環境 | (5)環境構築 |
試験内容の変更ではありませんが、今回の改訂の最大の変更点として、フレームワークをつかった実装が挙げられます。
今までは、フレームワークを使わない実装のみが試験範囲となっていましたが、2022 年 8 月開催の試験より、PyTorch または TensorFlow を利用した実装も試験範囲として加わります。
どちらのフレームワークを使って解答するかは受験者が決めることが出来ます。
まだ PyTorch と TensorFlow どちらも有名なフレームワークですので、既に使ったことがある方も多いかと思いますが、まだ使ったことがない方は実装を通して対策をしていきましょう。
なお、フレームワークの前提バージョンは以下となっておりますので、フレームワークを使っての実装を学習される際は以下のバージョンに合わせて実装下さい。
grad-cam==1.3.7
matplotlib==3.5.1
numpy==1.22.2
opencv-python==4.5.5.62
tensorflow==2.8.0
tf-explain==0.3.1
torch==1.10.2
torchinfo==1.6.3
torchvision==0.11.3
※JDLAホームページより引用:E資格とは
キカガクのJDLA認定プログラム
ディープラーニングハンズオンセミナー
キカガクが提供しているディープラーニングハンズオンセミナーは、JDLA より認定プログラムに指定されております。
ディープラーニングハンズオンセミナーを受講いただく大きなメリットを 3 つ紹介いたします。
1. ディープラーニングについて短期間で体系的に学べる
ディープラーニングハンズオンセミナーでは、機械学習やディープラーニングについて理論や実装について体系的に学ぶことができます。3日間という短期間で体系的な知識を得ることが出来るボリューム満点のコースとなっています。
2. 受講中は質問し放題
受講期間中は講師に直接質問することができます。
ハンズオン形式で学ぶ事ができるセミナーとなっていますので、受講期間中(3 日間)は講師に直接質問することができます。
3. E資格の対策が充実
ディープラーニングハンズオンセミナーに参加された方皆様に、先程例題としてお見せした E資格事前学習テストをはじめ、E資格対策コースとして、20 時間分の E資格対策動画を無料で付与いたします。
筆者は E資格の受験の直前期にこちらの E資格事前確認テストと徹底攻略ディープラーニング E資格エンジニア問題集を使用していました。
コース紹介
キカガクのディープラーニングハンズオンセミナーは、3 日間のリアルタイムオンライン研修と eラーニングの 2 種類をご用意しております。
【JDLA E資格認定講座】ディープラーニングハンズオンコース(オンライン研修)の詳細はこちら
【JDLA E資格認定講座】ディープラーニングハンズオンコース(e ラーニング)の詳細はこちら
また、ディープラーニングハンズオンセミナーでは PyTorch を使ったディープラーニングの実装を学ぶことができます。
PyTorch を使ったことがない方でも 3 日間のセミナーで、ディープラーニングの基礎的な実装から、簡単な自然言語処理の実装まで学ぶことができます。
今回より、E資格の試験範囲にフレームワークを使った実装が含まれますので、まだ PyTorch に触れたことがない方には特におすすめです!
終わりに
今回の記事では、シラバスの改訂に伴う 2022 年 8 月開催以降の試験範囲の変更について見ていきました。
E資格試験では技術の進歩に伴い 1~2 年に 1 回くらいのスパンでシラバスの改訂がありますので、受験する開催回のシラバスと試験範囲の内容を確認した上で学習に取り組まれることをおすすめします。
まだ JDLA 認定プログラムを受講されていない方は、ぜひキカガクのディープラーニングハンズオンセミナーの受講をご検討下さい。
また、キカガクでは上記以外にも、研修をご用意しております。
例えば、キカガクの研修の特徴でもお伝えした実際の実現場の課題をテーマに上記コースで学んだことを活用していく PBL 研修等です。
このようなキカガクのサービスの特徴やコース詳細についての資料にて詳しくご紹介しております。コースごと学習内容の詳細やスケジュール等や今回ご紹介してきれていないコースやサービスもご用意あります。
E資格向けを検討されている方のご参考になれば幸いです。
関連記事
新着記事
2025.01.29
【事例:DXアセスメント共同制作】DX人財育成の新基準を作る。トヨタ自動車が実現した全社規模のスキル可視化への挑戦
2025.01.06
【事例:AOAI研修】社内問い合わせ自動化システムを自身で開発!LLMとRAGを体系的に学び実務に活かす
2024.12.12
【事例:マネジメント層向けDX研修】DX推進人材との「共通言語化」で、変革が進む組織へ。静岡ガスが挑む管理職向け教育
2024.12.12
【事例:ビジネスアーキテクト育成研修】強力なプロジェクト推進力がDXを動かす!静岡ガスのDX推進人材育成戦略
2024.09.19
【事例:生成AIアイデアソン】社員の創造力で加速する生成AI活用。大日本印刷のアイデアソン好事例
2024.06.26
【事例:DXプロジェクトマネジメント研修】地域DXを担う人材を育てる。百十四銀行が取り組むDX人材育成とは
2024.06.12
実務で使えるDXスキルが身につく!PBL(課題解決型研修)の概要と成功のポイント
2024.05.31
【事例:ChatGPT 研修】生成AIの本質を理解し実践できるDX人材を育成!「手を動かす」研修で高い満足度を実現
2024.05.21
【事例:全社向け研修】住友ゴム工業株式会社:中期計画達成にむけて全社向け DX 人材育成を実施